新上五島東端に重鎮する、荘厳な石造り教会『頭ヶ島天主堂』

長崎県新上五島町の頭ヶ島にある、国の重要文化財ならびに世界遺産候補の『頭ヶ島天主堂』を紹介します。

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正面から見た頭ヶ島天主堂

この建物の特徴は、日本全国でも珍しい石造りであることです。これらの石は島内から切り出されたものを使用しています。通常のキリスト教の教会内部にはバラの装飾が使われるのに対し、こちらの教会では、島内にたくさん自生している島のシンボルの椿が使われていると言われています。

設計は、地元出身の鉄川与助により行われました。彼は島内外の多くの教会の建設に関わった人物です。この設計により、最終的に、1919年には建設作業が完了しました。かつて、島内でのキリスト教徒迫害の五島崩れで多くの信徒が島外に脱出しましたが、迫害が終わった後にこの島に戻ってきた信徒たちはこの建物の建設に協力しました。

今後、この建物を含めた「頭ヶ島の集落」が「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に認定される可能性があり、多くの観光客が訪れることになりそうです。

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上から眺めた頭ヶ島天主堂

ところで、「頭ヶ島天主堂」では多くの石が切り出されたと述べましたが、島では、かつて採石が盛んでした。この天主堂の近くにある崎浦地域では、現地の石を石畳の道や家の石垣として利用してきました。これらの石は長崎市内のオランダ坂という観光スポットにも利用されています。

長崎県,新上五島町,友住集落の石畳

崎浦地域の石畳

新上五島には教会が29箇所あります。
教会巡りをする方、ぜひ訪ねてみてください!

(文責:2016年夏の島キャン生 山根広大)

 

基本情報

※崎浦地域住所:長崎県南松浦郡新上五島町友住郷

長崎県南松浦郡 新上五島町友住郷638

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